<ストレスとは>

「5月病」という言葉を聞いたことがありますか?
5月病は学生や社会人にみられることが多く、勉強や仕事に対する意欲を失って無気力な状態になってしまうことを指します。
つまり「何となくやる気が出ない」「何となく体が重い」と感じる心身の不調のことです。
5月の連休明けに増加することから、日本ではこのように呼ばれています。
(医学的に正式な病名ではありません)
5月病は<ストレス>が原因で起こると考えられています。
春には職場の異動、人間関係や仕事内容の変化、家族の進級進学・・・
環境が大きく変わる人も多いでしょう。
このような環境の変化にうまく適応できないとストレスが溜まっていき心だけでなく体にも変化をもたらします。
なぜなら、ストレスはコルチゾルと呼ばれるストレスホルモンの分泌を促すからです。
過剰にコルチゾルが分泌されると免疫力が低下し、血圧や血糖値が上がりやすくなります。
さらにはセロトニンやドーパミンといった安心感や幸福感を感じるホルモンの分泌を妨げます。
ストレスによって受ける影響と適切な対処法を知り、心身ともに健やかに過ごしていきましょう。
ストレスによって引き起こされる変化は以下のようなものがあります。
〇体の変化〇
〇心の変化〇
また自分では自身のストレスや体調の変化に気づけないこともありますが、行動の中に不調のサインが隠れていることもあります。
遅刻や欠勤が増える、服装が乱れている、飲酒量が増える、注意力が低下している、などは要注意の徴候です。
<ストレスの対処法>

不調のサインに気が付いたら、まずは自分でケアすることから始めましょう。
ケアの方法はいくつかあり、人によって効果的な方法は違います。
いくつかご紹介しますので、自分に合いそうな方法を選んでみてください。
〇気晴らしをする〇
あらかじめ気分転換リストを作っておき、落ち込んだ時に見てみましょう。
ストレスを感じているときはリフレッシュ方法がなかなか思い浮かばないので、「あらかじめ」作っておくのがポイントです。
コーヒーを飲む、換気する、音楽を聴く、背伸びをする、チョコを食べる、など
なるべく1人で実践しやすいものをピックアップしておきましょう。
〇人に話す〇
周囲の信頼できる人に話すことで、ストレスを軽減することができます。
問題の解決方法が見つからなくても、怒りや悲しみなどの感情を誰かに話すことで心理的な安定を得ることができます。
〇自分を俯瞰する〇
人はある出来事が起きたとき、自分の経験から身に付けた決まった思考パターンをします。この思考パターンに歪みがあると、生きづらさを感じやすくなってしまいます。
例えば、ちょっとした失敗を取り返しのつかない失敗と考えたり、「こうするべき」と決めつけ他人にもそれを要求する、といった思考です。こういった認知の歪みが体や行動に悪影響を与え、その結果さらなるストレスになる・・・という悪循環に陥ってしまいます。自分を俯瞰的に見て、偏った思考がないか振り返ってみましょう。
〇忘れる〇
人間は覚えることより忘れることの方が難しい生き物。簡単に忘れることができれば苦労はしませんが、実はコツがあります。
「くよくよする時」というのは大抵 過ぎてしまった過去への後悔か、まだ来てもいない未来への不安に囚われている時です。ポイントは、過去でも未来でもない「現在」に意識を持っていくことです。目の前にあるペンを持ってみてその重さや質感を感じる、歩いてみて足の裏で床の感触を感じる、耳を澄まして外の雨音を感じる、など、いつもより少し五感を研ぎ澄ませて身の回りの事象に集中してみましょう。その間は過去や未来のしがらみから解放されるはずです。出口のないぐるぐる思考に陥りやすい方はぜひ実践してみてください